Design with AIAIと進める制作のリファレンス スキル

AIと進める制作のリファレンス

Design with AI

制作を計画し、実践する人のためのリファレンスです。21種類の制作物について、工程の進め方、人とAIの分担、判断の基準と具体例をまとめています。作っている制作物のガイドを開き、必要な節だけを読むことも、最初から順に読むこともできます。

制作物の一覧

21種類の制作物を、6つの分類にまとめています。作っているものの名前か、いま決めたいことに近い説明から選んでください。

体験と画面

製品やサービスの使い方を設計し、画面と言葉にして、操作で確かめます。

  1. 01UXフロー利用者が目的に着くまでの順序、分岐、戻り方を決め、画面ごとに必要な情報をまとめる
  2. 02UI画面情報の優先順位と画面の状態を決め、画面幅や状態ごとの表示と実装に必要な仕様をまとめる
  3. 03UXライティング画面の文言を表示条件と照らして直し、採用した表現と表記ルールを残す
  4. 04デザインシステム・UIガイド共通化する部品の範囲を決め、状態、使う場面、コードとの対応をまとめる
  5. 05動くプロトタイプ操作できる試作をつくり、決めた問いに答えを出して次の行動を決める

ブランドと言葉

誰に、何者として、どんな言葉で伝えるかを決めます。

  1. 06ブランド方針本人の構想から特徴と方向を選び、言葉とデザインの方針を制作物で試す
  2. 07ネーミング・コピー意図と語感に合う名前やコピーを選び、使う場面と変えない表現を決める

ビジュアルと映像

画像、図、キャラクター、映像で内容を伝えます。

  1. 08キービジュアル・広告・SNS画像構図とコピーを代表サイズで決め、媒体ごとの画像に展開して書き出す
  2. 11イラスト・画像素材用途に合う画風と構図を選び、使う画面で確かめた素材を書き出す
  3. 12キャラクター形と性格の基本を決め、表情やポーズが変わっても同じに見える制作ルールをまとめる
  4. 13図解・グラレコ伝えたい関係を構図で表し、説明なしで意味が伝わる図に仕上げる
  5. 14絵コンテ・動画・モーション伝える順序を絵コンテで決め、代表カットで動きを試して通しの映像に仕上げる

媒体と実物

Webページや印刷物など、届け先の環境で成り立つことを確かめます。

  1. 09Web・LP訪問者の目的からページ構成を決め、実装したページを確かめて公開の準備をする
  2. 10印刷物・グッズ品目と製法に合うデザインを選び、入稿データと校正・試作品で実物を確かめる

文書と発表

考えや調べた結果を、受け手が判断や理解に使える形にします。

  1. 15スライド・発表原稿聴衆に伝える結論と順序を決め、画面と話す言葉を持ち時間に収める
  2. 16記事・長文本人の考えと経験から構成を決め、本人が自分の言葉として出せる本文に整える
  3. 17調査レポート判断に必要な問いを決めて資料を比べ、結論とそれが成り立つ条件をまとめる
  4. 18企画・組織戦略・提案書選択肢と影響を比べて推奨案を作り、試す範囲と評価方法を提案にまとめる

運営と連絡

評価、会議、連絡など、仕事の事実と記録を扱い、判断する人に渡します。

  1. 19評価資料・定例報告評価資料は基準に沿って実績と評価を書き分け、定例報告は期間の実績、課題、次の方針をまとめ、用途に応じて確定した内容を提出形式に整える
  2. 20会議準備・議事録経緯から議題を用意し、決まったこと、未決事項、記録や予定の変更案を整理する
  3. 21メッセージ下書き前後のやり取りから伝える内容を整理し、本人が確認して送れる下書きを作る

隣接するガイドの違い

隣り合うガイドは、扱う題材が重なっていても、決めることと成果が違います。どのガイドを開くか迷ったときは、いま決めたいことと、次に渡したい成果から選びます。

フロー・画面・試作

流れを決めてから画面を作り、図や静止画では判断できない点を試作で確かめます。試作の結果によっては、流れや画面のガイドへ戻ります。

ガイド決めること主な成果開く段階
01 UXフロー利用者がたどる順序、分岐、戻り方と、画面ごとに必要な情報フロー図、画面ごとの情報と次へ進む条件必要な画面がまだ決まっていないとき、最初に
02 UI画面情報の優先順位、画面の状態、画面幅ごとの表示画面のデザインと実装に必要な仕様流れと画面の要件が決まったあと
05 動くプロトタイプ決めた問いへの答えと、次に戻る先通しで操作できる試作、問いへの答えと次の行動図や静止画では判断できない仮説が残ったとき。流れや画面の検討の途中でも開く

方針・言葉・ビジュアル

ブランド方針が表現の基準になり、言葉とビジュアルはその基準に沿って個別の制作物を作ります。

ガイド決めること主な成果開く段階
06 ブランド方針対象者、提供する価値と根拠、言葉遣い、デザインのルールブランド方針と、方針を試した制作例表現の基準がまだないとき、最初に
07 ネーミング・コピー名前やコピーの文言、意図、使う場面、変えない表現採用した文言と、その意図の記録方針があり、掲載先と読む人が決まったとき
08 キービジュアル・広告・SNS画像構図、文字の優先順位、サイズごとの変更点媒体とサイズごとの完成画像使うコピーと正式な素材がそろったとき

媒体の画像と素材

掲載面に出す完成した画像を作るか、他の制作物に組み込む部品を作るかで分かれます。

ガイド決めること主な成果開く段階
08 キービジュアル・広告・SNS画像掲載面で伝える内容と、文字やロゴを含む構図媒体のサイズに合わせて書き出した完成画像掲載先とサイズが決まっているとき
11 イラスト・画像素材素材の画風、構図、切り抜く範囲画面や画像に組み込む素材と、生成・編集の条件部品となる絵や写真が必要なとき。キービジュアルの制作中に素材が必要になったときも開く

発表・記事・調査・提案

どれも文章と図を使いますが、受け手と、受け手に求める行動が違います。

ガイド決めること主な成果開く段階
15 スライド・発表原稿聴衆に話す順序と、画面に出す情報と口頭で補う情報の分担スライドと発表原稿話す場と持ち時間が決まっているとき
16 記事・長文本人の考えと経験を伝える構成と言葉本人が自分の考えとして出せる本文読み物として公開や共有をするとき
17 調査レポート判断に必要な事実、比べる条件、結論が成り立つ条件根拠と反例を含む調査レポート判断の前に事実をそろえるとき。発表、記事、提案の根拠を用意するときも開く
18 企画・組織戦略・提案書進める案、試す範囲、評価方法決定者が判断できる提案書決定を求めるとき。発表の場で提案する場合は、スライド・発表原稿のガイドも参照する

評価・記録・連絡

どれも仕事の事実を扱いますが、最終的に判断する人と、成果を受け取る相手が違います。

ガイド決めること主な成果開く段階
19 評価資料・定例報告評価資料では、基準に沿った実績と評価の書き分け。評価の最終判断は、その文書で定められた判断者が行う。定例報告では、対象期間の実績、課題、次の方針のうち、報告として確定する内容記入欄に合わせた評価資料、または提出形式に合わせた定例報告評価の時期、または定められた周期で報告するとき
20 会議準備・議事録会議で話す議題と、決まったこと・未決事項の区別議題と資料、議事録、記録や予定の変更案会議の前と後
21 メッセージ下書き個別の相手に伝える内容と、依頼の範囲本人が確認して送る下書き個別の相手へ連絡するとき。会議の結果を伝える場合は議事録をもとにする

はじめに

このガイドについて

Design with AIは、AIとともに制作を進める人が、作業の途中で開いて参照するためのリファレンスです。21種類の制作物ごとにガイドがあり、各ガイドは工程を分けて、人とAIが何を担うか、何を基準に判断するかを説明しています。

各ガイドは、概要、全体の流れと分担、迷ったときの参照先、工程の節、成果を渡す先または結果から戻る先で構成しています。工程の節には、目的、分担と材料・成果、考え方、推奨と理由、次へ進む目安、具体例があります。具体例は各ガイドの中で一つの架空の題材を通して使っているため、順に読むと工程どうしのつながりを追えます。

AIに任せられる範囲は、使える道具、接続、権限、確認の手段によって変わります。本文で「環境があれば」と書いた作業は、AIがその作業を実行し、結果を確かめられる場合に限ります。そうでない場合は、人やその分野の専門担当者が行います。

分担の読み方

各工程では、次の役割を書き分けています。ガイドによっては、このうち一部だけが登場します。

人
制作を計画し、進める人とそのチームです。目的、範囲、案の採否、良し悪し、次の行動を決めます。
AI
材料の整理、案の作成と比較、記録の整理を担います。実装、画像の生成、ファイルの編集などは、それを実行して結果を確かめられる環境がある場合に担います。
専門担当者
開発、印刷・製造、映像など、その制作に必要な技能、権限、設備を持つ人です。各ガイドでは、開発担当者、デザイナー、製造先のように具体的な名前で示します。
確認担当
制作と並行して、例外や見落とし、読み取れる内容などを別の視点で確かめる人、または別に作業するAIです。
利用者・受け手
制作物を使う、読む、聞く、見る人です。ガイドによって、利用者、読者、聴衆と呼びます。

判断選ぶ、決める、良し悪しを判断する行為です。結果に責任を持つ人が行います。

作業整理、提案、制作、実装、操作など、判断の材料や成果物をつくる行為です。

共通の原則

どのガイドにも共通する考え方です。各工程の推奨は、これらをその制作物の場面に当てはめたものです。

  1. 判断する箇所を先に決める

    AIが担う作業が増えても、目的、範囲、案の採否、良し悪し、次の行動は人が判断します。どこで人が判断するかを工程の初めに置いておくと、AIの出力を採用するか差し戻すかの基準がそろいます。

  2. AIの出力は案として受け取る

    整理や提案は、確かめる前の候補です。採用する前に、事実と仮説が混ざっていないか、決めた範囲から外れていないかを人が確かめます。

  3. 確かめたことと推測を分けて残す

    確かめた事実、そこからの解釈、まだ確かめていない点を分けて記録すると、次の判断で同じ検討を繰り返さずに済みます。

  4. 任せる前に、渡すものをそろえる

    AIや専門担当者へ作業を渡すときは、目的、範囲、対象外、確かめ方をそろえて渡します。受け取った側が範囲を補って作り込むことを防げます。

  5. AIに渡す情報は、許可された範囲に限る

    AIへ渡す資料や記録は、組織や案件の取り決めで許可された範囲に限ります。個人情報や機密情報は、作業に必要な最小限にします。渡す前に、使うAIが組織や案件で承認されているかと、入力した内容の保存、学習、共有の条件を確かめます。

  6. 外部への反映は、案件の取り決めに従う

    公開、送信、共有中の資料や外部サービスの更新は、その案件で誰が、どの承認を経て行うかを決めてから行います。AIが実行できる環境があっても、実行してよいかは案件の取り決めで判断します。

用語

すべてのガイドで、次の意味で使っています。

ガイド
一つの制作物の種類について、工程と判断をまとめたページです。本文で他のガイドを指すときは名前で示します。
工程
ガイドの中の作業の区切りです。01から始まる番号を付け、本文でも番号で指します。
材料
その工程を始めるのに必要な情報や素材です。
成果
その工程で作り、次の工程や他のガイドへ渡すものです。
次へ進む目安
次の工程へ進んでよいかを判断する条件です。満たしていない項目があれば、その工程で補います。
事実と仮説
事実は記録や確認で確かめられたこと、仮説はまだ確かめていない推測です。
対象外
今回は作らない、扱わないと決めた範囲です。名前を一覧に残し、関係者が同じ扱いをできるようにします。
環境
AIが作業を実行し、結果を確かめるための道具、接続、権限、確認の手段です。
反映
成果を公開、送信、共有中の資料や外部サービスへの書き込みなどによって、制作の場の外へ出すことです。